シリーズ:アルツハイマー治療を考える⑧
「予防」から考える早期の認知症対策
レカネマブをはじめとする抗アミロイドβ(Aβ)抗体薬※1の登場や、アルツハイマー病の原因とされる脳内に蓄積したAβやタウ(Tau)※2の量を測定するバイオマーカー検査の進歩などによって、認知症の早期発見の重要性や予防への期待が高まっている。認知症になる前、軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment:MCI)の段階からその発症を早期に診断し、様々な生活習慣の改善や薬物療法を始めることで、正常な状態に回復したり、その進行を遅らせたりすることがわかってきたためである。さらに、生活習慣病対策や運動などが、認知症の発症を予防するというエビデンスも蓄積しつつあり、認知症のリスク...