血液学の第一人者、三輪先生と共に振り返る「ある学術セミナー」の軌跡 ―エッセイに残されたその思い―
1970年代後半、今のようにインターネットもなく、最新情報を入手するのは困難な時代であった。当時、医学関連のセミナーは高額で、その多くは東京で開催されていたため、限られた人しか情報が得られなかった。そこで、医師や臨床検査技師向けに、無償で最新情報を提供する場を設け、医療技術の発展に貢献することを目的として企画されたのが「シスメックス学術セミナー」である。1978年に始まった本セミナーは、今年で第46回を迎える。
実は当初「シスメックス血液学セミナー」という名称であったが、血液学のみならず、医療に関する幅広い分野における情報発信の場としての発展の意味を込めて、第31回(2008年)より「シ...