「体細胞モザイク」の謎
―様々な疾患発症の鍵を握る新たな視点―
体細胞モザイク、一見聞き慣れない言葉ですが、私たちの体に必ず潜んでいます。体細胞モザイクとは、異常な細胞と正常な細胞が入り交じり、それがモザイクアートのように広がっている状態を指しています。がんをはじめ、様々な疾患で見られるだけでなく、正常な組織においても加齢や環境因子への曝露によりDNAに変異を起こした細胞がモザイク状に見られることもわかってきています。正常な細胞からどのようなメカニズムで疾患の発症に至るのか、その仕組みについて最近の研究で徐々に明らかになりつつあります。今、注目される体細胞モザイクについて、最新の研究結果を交えながら解説していきます。