新型コロナウイルス対策の切り札として期待されているワクチン。接種の状況や供給の見通しなど、国内の動向をまとめました。

INDEX
3回目 6割が接種
4つのワクチンが承認
安全性に重大な懸念認められず

3回目 6割が接種

政府のまとめによると、6月14日公表時点の国内の新型コロナウイルスワクチンの総接種回数は2億8271万7470回。総接種回数のうち、1回目は1億367万3112回、2回目は1億221万8923回で、1回以上接種した人は人口の81.9%、2回の接種を完了した人は80.7%。高齢者では92.9%が1回以上接種を受け、92.7%が2回接種を完了しています。

ワクチンの効果が持続するのは2回目接種後半年程度とされ、2021年12月から国内でも3回目の接種がスタートしました。追加接種の対象となるのは、2回接種を完了した12歳以上の人全員で、接種の時期は2回目接種から7カ月以上が原則(64歳以下の人の場合)。ただし、自治体の予約状況によっては、64歳以下の人も高齢者と同様に2回目接種から6カ月で接種することもできます。

小児の2回目接種率は15%

政府のまとめによると、6月14日公表時点での3回目の接種回数は7678万4547回。3回目の接種率は60.6%となっており、65歳以上の高齢者では89.5%が3回目を済ませています。

3回目接種に使用するのは、ファイザーまたはモデルナのmRNAワクチン。1回目・2回目に接種したワクチンの種類にかかわらず、どちらのワクチンを使用しても構いません。ファイザー製は昨年11月に、モデルナ製も同12月に、それぞれ追加接種での使用について承認を取得しています。

今年1月にはファイザー製が5~11歳への接種について承認を取得し、2月から接種がスタート。小児の接種回数は6月14日の公表時点で246万1438回となっており、1回以上接種したのは131万5111人(接種率17.8%)、2回目が完了した人は114万6327人(同15.5%)となっています。

4月末にはファイザー製で4回目接種に関する添付文書の改訂が行われ、5月末から順次接種が始まっています。4回目は3回目までと異なり、60歳以上の人や18歳以上で基礎疾患を持つ人、重症化リスクが高いと医師が認める人が対象。接種のタイミングは3回目から5カ月以上たったあととされています。政府のまとめによると、6月14日公表時点で4回目の接種を受けた人は4万888人(うち高齢者3万6995人)です。

4つのワクチンが使用可能

現在、国内では4種類の新型コロナウイルスワクチンが承認されています。昨年2月にファイザー製(mRNAワクチン「コミナティ」)が承認を取得し、5月にはモデルナ製(同「スパイクバックス」)とアストラゼネカ製(ウイルスベクターワクチン「バキスゼブリア」)が承認。4月19日には、米ノババックスが開発し、武田薬品工業が国内で製造して供給する組換えタンパクワクチン「ヌバキソビッド」が承認されました。

アストラゼネカのバキスゼブリアは、海外で接種後に血小板減少を伴う血栓症を発症したケースが報告されていることもあり、政府は公的接種での使用を見合わせていましたが、昨年8月から原則として40歳以上の人を対象に公的接種で使用できるようになりました。

ノババックス/武田のヌバキソビッドは、武田が自社の光工場(山口県)で製造しており、5月末から接種が始まりました。初回接種(1回目と2回目)のほか、追加接種にも使用できます。武田は厚労省と1億5000万回分の供給契約を結んでいます。

5月30日には、ヤンセンファーマのウイルスベクターワクチンの承認が厚生労働省の専門部会で了承されました。18歳以上の初回免疫と追加免疫に使用することができ、初回免疫は1回の接種で済みます。近く正式に承認される見通しですが、国内で接種に必要なワクチンはすでに確保されており、国は同ワクチンを公的接種の対象にはしない方針です。

「国産」も開発進展

国内ではこのほか、昨年2月に米国で緊急使用が認められたジョンソン・エンド・ジョンソンのウイルスベクターワクチンが同5月に承認申請。塩野義製薬とサノフィが組換えタンパクワクチンの臨床第3相(P3)試験を進めています。

塩野義は昨年10月からP2/3試験を開始し、塩野義は12月からベトナムでグローバルP3試験をスタート。今年1月には、アストラゼネカ製ワクチンと中和抗体価を比較するP3試験を国内で開始しました。3月4日には、追加接種に関するP2/3試験でファイザー製に対する非劣性が確認されたとの中間報告を発表しています。

組換えタンパクワクチンを開発しているKMバイオロジクスは、今年4月から成人を対象としたP3試験と、6カ月以上18歳未満の小児を対象としたP2/3試験を開始。5月に成立した改正医薬品医療機器等法に盛り込まれた「緊急承認制度」の活用を想定し、今年9月の申請、2022年度中の供給開始を目指しています。

関連記事:ワクチン・治療薬、有効性「推定」で承認可能に…緊急承認制度のポイント

日本企業ではこのほか、アンジェス(DNAワクチン)、第一三共(mRNAワクチン)、田辺三菱製薬(ウイルス様粒子ワクチン)などが開発を行っています。

アンジェスは20年12月からP2/3試験を行っていましたが、21年12月、安全性に問題はなかったものの期待する効果が得られなかったと発表。同社は、有効性の向上を狙って同年8月から高用量製剤を使ったP1/2試験を行っており、「今後は高用量製剤の開発に注力していく」としています。

第一三共は昨年11月からP2試験を行っており、今年1月にはブースター接種の臨床試験も開始。22年中にブースター接種での実用化を目指しています。田辺三菱製薬はカナダ子会社メディカゴが開発した植物由来ウイルス様粒子ワクチンのP1/2試験を昨年10月から実施中。今年2月にはカナダで承認を取得しており、国内では今年度中の申請を目指しています。

画像: 「国産」も開発進展

安全性に重大な懸念認められず

厚生労働省によると、5月15日までに報告された副反応疑いの頻度は、昨年2月から接種が行われているファイザー製(12歳以上向け)で0.0136%、同5月から接種が行われているモデルナ製が0.0078%、同8月から接種が行われているアストラゼネカ製は0.0137%。ファイザー製の5~11歳向けでは0.0038%の頻度で報告がありました。3回目接種後の報告頻度は1回目・2回目より低くなっています。

接種後に報告された死亡例(12歳以上)は、5月15日時点でファイザー製1575件(接種100万回あたり7.4回)、モデルナ製149件(同2.4件)、アストラゼネカ製1件(同8.5件)。これまでワクチンとの因果関係があると結論づけられたケースはなく、厚労省の専門部会は「3回目接種後の事例を含め、ワクチン接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められない」としています。

新型コロナワクチンで注意すべき副反応とされている心筋炎・心膜炎(12歳以上)は、5月15日までにファイザー製で心筋炎49件・心膜炎27件、モデルナ製で心筋炎36件・心膜炎13件の報告がありました(疑いとして報告されたもののうち、国際分類に基づいて心筋炎・心膜炎と評価された事例)。アストラゼネカ製では報告はありません。

5~11歳の小児では、5月15日までに死亡例の報告が1件(接種100万回あたり0.5件)あり、厚労省の専門部会は「情報不足等によりワクチンとの因果関係が評価できない」としています。国際基準に照らして心筋炎・心膜炎にあたり評価された事例は、心膜炎が1件ありました。

こうした報告を踏まえ、厚労省の専門部会は「いずれのワクチンも、死亡、アナフィラキシー、血小板減少症を伴う血栓症、心筋炎・心膜炎、交互接種、3回目接種、5~11歳の小児接種、ワクチン接種後健康状況調査に関する検討を含め、引き続き安全性において重大な懸念は認められない」と評価しています。

(公開:2021年1月14日/最終更新:2022年6月15日)

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