認知症の危険因子「中年期の高血圧」、知見の体系的な整理が課題だった

愛媛大学は12月10日、高血圧に関連する認知症発症の基礎実験をまとめた総説を作成し、日本高血圧学会から声明文として公表したと発表した。この研究は、同大大学院医学系研究科薬理学講座の茂木正樹教授らの研究グループによるもの。研究成果は、「Hypertension Research」に掲載されている。

画像: 画像はリリースより

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日本では超高齢化の進行とともに認知症患者が増加し、予防の重要性がこれまで以上に高まっている。特に、中年期の高血圧が将来の認知症リスクを高めることが大規模な疫学研究で示されており、修正可能な危険因子として高血圧が注目されている。しかし、「高血圧がどのような機序で認知症を誘導するのか」については、多くの基礎研究があるものの、知見を体系的に整理した報告は限られていた。

「高血圧関連認知症」として整理、脳血管障害やアミロイドβ代謝などの機序を包括的に提示

今回、日本高血圧学会の学術委員会に設置された「認知症・認知機能障害予防に関連した高血圧診療(PCIHM)ワーキンググループ」より、国内外の基礎研究の最新成果を集約し、「Current updates on latest basic research of scientific relevance in hypertensive dementia」として総説を作成した。同論文は、高血圧に関連する認知症を“Hypertensive Dementia(高血圧関連認知症)”として整理し、その背景機序を包括的に示したものである。

総説では
・高血圧による脳血管障害・微小血管病変
・アミロイドβ代謝への影響
・高血圧で上昇する炎症性因子・誘導因子の役割
・記憶中枢・海馬の脆弱性
など、多方面から高血圧が認知症発症と関連する科学的根拠をまとめた。

これらは、高血圧治療が高齢期の認知症予防に寄与する可能性を基礎研究の視点から裏付ける重要なエビデンスとなっている。

一般向けダイジェストや研究者向け「薬剤・モデル一覧」も公開

同声明は、動物モデルから薬剤研究まで、高血圧が認知症を誘導する過程を裏付ける基礎的エビデンスを整理し、将来の研究に資する資料として提示している。研究グループはさらに、一般向けに理解しやすい日本語ダイジェスト版を作成。研究者向けには、関連動物モデルや認知症改善効果のある薬剤一覧も整理した。

「今回の成果は、医療者、一般市民、研究者のいずれにとっても有用な情報となることを目指している。今回の総説を通じて、高血圧管理の重要性と認知症予防への新たな視点を広く社会に発信していきたいと考えている」と、研究グループは述べている。(

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