網膜色素変性症・アッシャー症候群・黄斑ジストロフィなどを含む遺伝性疾患群

シスメックス株式会社は6月5日、遺伝性網膜ジストロフィ(Inherited Retinal Dystrophy:IRD)の疾患原因遺伝子の情報を取得する「PrismGuide IRDパネル システム」について、IRDの遺伝子パネル検査システムとして5月31日に国内で初めて製造販売承認を取得したと発表した。

IRDは遺伝子変異が原因で網膜の機能に進行性の障害をきたす一連の疾患の総称。指定難病の網膜色素変性症、アッシャー症候群、黄斑ジストロフィが含まれる。その多くは、暗いところでものが見えにくくなる、視野が狭くなるなどの症状が若年期より始まり、場合によっては失明に至ることもある。IRDは、その原因遺伝子により、症状の重症度や進行度が多様だ。近年、これまで根本的な治療法がないとされていたIRDの原因遺伝子をターゲットとした遺伝子治療が欧米で承認され、国内でも開発が進行するなど、新たな治療法の道筋が見えつつある。これらのことから、IRDの診断においては、従来の臨床所見に加えて、原因遺伝子の情報に基づく、より個別化された診断の重要性が高まっている。

先進医療Bとして、臨床性能・遺伝カウンセリングへの有用性を評価

シスメックスは、2020年2月に締結した包括連携契約に基づき、神戸市立神戸アイセンター病院と同システムの共同開発を進めてきた。その後、同システムを用いた「遺伝子パネル検査による遺伝性網膜ジストロフィーの遺伝子診断」が2021年9月に先進医療Bとして承認。、東京医療センターにおいて、同システムの臨床性能や遺伝カウンセリングへの有用性について評価が行われてきた。

82のIRD原因遺伝子を同定、試薬キット・解析プログラムのコンビネーション医療機器

今回製造販売承認を取得した「PrismGuide IRDパネル システム」は、試薬キットおよび解析プログラムから構成されるコンビネーション医療機器。IRDの原因となる82の疾患原因遺伝子の同定を目的として、IRD患者またはIRDと疑われる患者の血液から、包括的なゲノムプロファイル(疾患の診療上重要な、検体中の複数の遺伝子の変異を同時に解析して得られる情報)を取得する。その後、同システムにより取得した測定結果に基づき、関連学会が提示する要件を満たした医療機関のエキスパートパネルが、自覚症状、臨床症状および他の関連する検査結果とあわせて、IRD患者の原因遺伝子を総合的に決定する。

原因遺伝子に応じた治療計画やロービジョンケア計画の策定および遺伝カウンセリングが実施された場合、早期に適切な治療を開始でき、発症リスクや症状の進行予測を踏まえた就学・就職準備など、患者のライフイベントに合わせた事前対応が可能となる。そのため、患者やその家族のQOL向上に大きく貢献することが期待される、と同社は述べている。(

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