1日2〜3杯のカフェイン入りコーヒー、または1〜2杯のお茶を飲むことで、認知症リスクが低下し、脳の老化速度が遅くなることが、新たな研究で示された。米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院のDaniel Wang氏らによるこの研究の詳細は、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に2月9日掲載された。

ただし研究グループは、「この結果は心強いものだが、効果は小さく、また、加齢による認知機能低下を防ぐ上で重要な方法は他にもたくさんある。本研究結果は、カフェイン入りのコーヒーやお茶の摂取が、その方法の一部となり得ることを示しているに過ぎない」と述べ、効果を期待し過ぎないよう求めている。また、本研究では緑茶と紅茶などお茶の種類に関する詳細な情報が収集されなかったことを限界点として挙げている。

研究グループによると、コーヒーやお茶にはカフェインなど脳の健康に寄与し得る成分が含まれており、炎症や細胞の損傷を抑えることで脳を守る可能性があるという。そこでWang氏らは今回、Nurses’ Health Study(NHS)参加女性8万6,606人(ベースライン時の平均年齢46.2歳)、およびHealth Professionals Follow-up Study(HPFS)参加男性4万5,215人(ベースライン時の平均年齢53.8歳)を対象に、コーヒーやお茶の摂取と認知症リスクおよび認知機能との関連を調べる前向きコホート研究を実施した。

中央値で36.8年の追跡期間中に、13万1,821人の参加者において1万1,033件の新規認知症が確認された。両コホートを統合して解析した結果、カフェイン入りコーヒーの摂取量が最も多い群では最も少ない群に比べて認知症リスクが18%有意に低く(ハザード比0.82)、主観的認知機能低下が認められる割合も低かった(7.8%対9.5%、有病率比0.85)。認知機能に関する同様の関連は、お茶の摂取量が多い場合にも認められた。一方、カフェインレスコーヒーの摂取と認知機能との間に関連は認められなかった。量反応解析からは、カフェイン入りコーヒーなら1日2〜3杯、お茶なら1日1〜2杯を摂取した場合に、認知症および主観的・客観的認知機能低下のリスクが最も低くなることが示された。さらに、カフェイン摂取量がこれより多くても悪影響は見られなかったが、神経保護効果は最も効果が大きかった摂取量とほぼ同じ水準にとどまった。

論文の筆頭著者であるハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院のYu Zhang氏は、「本研究では、遺伝的に認知症になりやすい人と、そうでない人を比較しても、同じ結果が得られた。つまり、コーヒーやカフェインは、遺伝的リスクにかかわらず、同様に有益である可能性が高いということだ」とニュースリリースで述べている。(HealthDay News 2026年2月10日)

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