日本初となる新型コロナウイルス感染症の経口治療薬「(一般名:)」について、MSD社長のカイル・タトル氏は、供給体制整備を今後さらに推し進め、2022年2月までに20万回分、9月までに100万回分の供給を予定していることを1月25日の同社主催メディアセミナーで明らかにした。
同薬の使用に関して、国際医療福祉大学医学部感染症学講座の松本哲哉主任教授は、原則として発症から5日以内に服用を開始する必要があるため、早期診断・早期治療が今後の課題であるとした。

軽症から中等症に有効、変異株への効果も期待

軽症から中等症に対する日本初の経口抗ウイルス薬として開発されたラゲブリオ(一般名:モルヌピラビル)はRNAポリメラーゼ阻害薬で、ウイルスの増殖を阻害する。MSD代表取締役上級副社長執行役員/グローバル研究開発本部長の白沢博満氏は、作用機序と臨床成績からラゲブリオの「薬物相互作用の可能性は低いと考えられ」「変異株にも効果が期待される」との見解を示した。

ラゲブリオの特徴を以下に挙げる。
▶院内だけでなく在宅やホテル療養での投与が可能
▶軽症から中等症の患者さんに対する有効性が期待される
▶作用機序および臨床成績から変異株にも効果が期待される
▶薬物相互作用の可能性は低いと考えられる
▶副作用:下痢、悪心、浮動性めまい、頭痛、発疹、蕁麻疹、中毒性皮疹
▶腎機能や肝機能に基づく用量調整や投与制限はない
▶妊娠又は妊娠している可能性のある女性は禁忌
(白沢氏講演資料より)

早期診断・早期投与により入院患者を減らすことが重要

松本氏は、オミクロン株の流行により、新型コロナウイルス感染症患者の二極化が起きていることを指摘。若年層は無症状から軽症が圧倒的多数である一方、特に80歳以上の高齢者は重症化し肺炎を発症する懸念が大きい。
松本氏は、「内服薬をうまく使って特に高齢者の入院患者を減らすことが、今後の影響や被害を少なくするポイント」であると述べた。そのうえで、ラゲブリオは発症から5日以内の服用開始が必要であり早期診断が不可欠であると強調した。処方は確定診断後となるため、発症から4日経過後の受診・診断では服用開始のタイミングがギリギリになってしまうケースが多い。抗ウイルス薬の投与は「早ければ早いほど効果が見込める」とのことで、今後は発症から診断・投与までの期間をいかに短くできるかが課題だとした。

いくつかの課題は残されているものの、ラゲブリオは軽症から中等症の患者にいち早く投与することで重症化を防ぎ、医療逼迫を軽減させるのに有効な治療薬になりうるため、今後の適切な供給と配分が期待される。(

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