エレベーターではなく階段を使うことは、思っている以上に健康に良いかもしれない。「American Journal of Cardiovascular Drugs」に8月13日付で報告された研究で、階段を上ることは、心血管疾患(CVD)による死亡リスクの39%の低下、全死因死亡リスクの24%の低下と関連することが明らかになった。

論文の上席著者である英イースト・アングリア大学ノリッジ医学校心臓病学教授のVassilios Vassiliou氏は研究背景について、「階段を上ることは日常生活に身体活動を取り入れるための実用的な方法だが、見過ごされがちである。われわれは、この日常的な活動に命を救う可能性がどれほどあるのかについて、理解を深めたかった」と述べている。

この研究では、論文データベースから選出した9件の研究を対象にシステマティックレビューとメタ解析を行い、階段を上ることとCVDの発症およびCVDによる死亡との関連を検討した。対象者は35~84歳の計48万479人(女性53%)で、追跡期間の中央値は14年だった。

5件の研究(対象者は計45万5,619人)が、階段を上ることとCVDによる死亡および全死因死亡との関連について報告していた。統合解析の結果、階段を上ることは、CVDによる死亡リスクの39%の低下(相対リスク0.61、95%信頼区間0.48~0.79)、全死因死亡リスクの24%の低下(相対リスク0.76、95%信頼区間0.62~0.94)と関連していることが示された。また、5件の研究(対象者は計47万4,238人)でCVD発症リスクについて報告しており、そのうち4件では、階段を上ることが、心筋梗塞、脳卒中、心不全などのCVDの発症リスクの低下と関連していた。ただし、研究間で対象者の特性、階段を上ることの評価法、主要評価項目が異なっていたため、アウトカムを定量的に統合することはできなかった。

論文の筆頭著者であるイースト・アングリア大学ノリッジ医学校のSophie Paddock氏は、「ジムに行ったり運動をしたりするのとは違い、階段を上ることなら、自宅でも職場でも外出先でも、日常生活に簡単に取り入れられる。運動をする時間があまりない人や機会を得にくい人にとっても、階段を上ることは、身体活動を取り入れるための良い選択肢である」と述べている。(HealthDay News 2026年8月13日)

https://www.healthday.com/health-news/cardiovascular-diseases/taking-the-stairs-may-lower-your-risk-of-dying-from-heart-disease

新規ウィンドウを開きます

Copyright © 2026 HealthDay新規ウィンドウを開きます. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

Medical meets Technologyでは会員登録(無料)いただいた方限定のコンテンツを配信しています。
ぜひ会員登録の上、ご利用ください。

記事を探す

注目キーワード

アルツハイマー病アミロイドβタウ血液バイオマーカー希少疾患さい帯血がん遺伝子検査リキッドバイオプシー尿路感染症AMR尿検査アトピー性皮膚炎TARC血液疾患

テーマ別記事

アルツハイマー治療を考える母親と赤ちゃん、そして血液疾患患者との命の絆「さい帯血」尿路感染症治療の現状と今後への期待日本人男性に発症するがん1位の前立腺がんアトピー性皮膚炎治療の最前線Withコロナ時代におけるウイルス検査の役割と新展開

人気記事ランキング

  1. 1

    帯状疱疹ワクチンに認知症発症の予防効果?

  2. 2

    血中CRP濃度が高いほど、がん罹患リスク「高」-国がん

  3. 3

    国内の認知症、約40%が生活習慣や健康状態の改善で予防できる可能性-東海大ほか

  4. 4

    新たな予測モデルでアルコール関連の肝障害をスクリーニング

  5. 5

    コーヒーやお茶は脳の健康を守る