
大腸がん再発兆候への早期先制治療、有用性を検討-国がんほか
リキッドバイオプシーによる新たな個別化医療のコンセプト
国立がん研究センターは6月12日、大腸がんの手術および標準治療後にリキッドバイオプシーで再発の兆候が検出された段階で治療を開始する「早期先制治療」の有効性を検証する第III相臨床試験(ALTAIR試験)の結果を発表した。この研究は、同センター東病院国際臨床腫瘍科の吉野孝之科長、医薬品開発推進部の坂東英明部長、関西医科大学医学部の渡邉純主任教授、大阪医療センター下部消化管外科の加藤健志科長らの共同研究グループによるもの。研究成果は、「Nature Medicine」に掲載されている。

大腸がんの再発は通常、CTなどの画像検査で確認されてから治療が開始される。この試験は、画像検査で再発が見つかる前に、リキッドバイオプシー(血液中の循環腫瘍DNA:ctDNAを検出する検査)を用いて早期に再発の兆候を捉え、その段階で治療を開始する早期先制治療の有用性を評価するもので、日本を中心とした大規模研究プロジェクト「CIRCULATE-Japan」の一環として実施された。手術および標準治療後にctDNAが陽性となり、画像上は再発が認められない大腸がん患者243例を対象としている。抗がん剤(トリフルリジン・チピラシル:FTD/TPI)を使用する群とプラセボ群に分け、再発までの期間(無病生存期間:DFS)を比較・検証した。
再発までの期間延長を示唆、大規模試験で検証可能と証明
試験の結果、早期先制治療の有効性は統計学的には確認されなかったものの、再発までの期間を延長する可能性について、今後の検証に値する所見が得られた。
「今回の研究により、『リキッドバイオプシーを用いて再発の兆候を早期に捉え、その段階で治療を行う』という新しい個別化医療のコンセプトが、大規模臨床試験で検証可能であることが世界に先駆けて示された。今後は、本試験で得られた知見をもとに、再発高リスク群に対する最適な治療戦略の確立に向けたさらなる研究を進めていく」と、研究グループは述べている。(QLifePro編集部新規ウィンドウを開きます)
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