
難病「免疫性血小板減少症」の新たな治療指標、補体活性化が関与する一群を発見-阪大
血小板破壊の新たな機序を解明、難治性患者の個別化治療に期待
大阪大学は4月3日、指定難病である免疫性血小板減少症(ITP)において、補体活性化が関与する一群を世界で初めて発見し、実臨床で簡便に検出できる可能性のある検査法を明らかにしたと発表した。この研究は、同大学免疫学フロンティア研究センター(WPI-IFReC)・同大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学の保仙直毅教授、中田継一大学院生、柏木浩和招へい教授、中外製薬株式会社の大浪一生氏、IFReCおよび同大学医学系研究科兼務の松下浩明氏らの研究グループによるもの。研究成果は、「Blood」にオンライン掲載されている。

ITPは自己抗体により血小板が破壊される自己免疫疾患であり、近年は新たな治療薬の登場で進展が見られている。しかし、従来の治療が効かない難治例が一定数存在しており、そのような症例における血小板減少のメカニズム解明および治療法の開発が課題となっていた。そこで研究グループは、ITP患者40人の検体を用い、フローサイトメトリーによって血小板表面に結合した分子種を詳細に解析した。
補体沈着のパターンから3群に分類、幼若血小板比率で判別可能に
解析の結果、血小板表面における補体沈着のパターンに基づき、ITP患者は3つのグループに分類できることが判明した。特に補体活性化が進行したIII群では、IgG自己抗体だけでなくIgM自己抗体が関与している可能性が高いことや、血小板破壊が著しく、従来のステロイド治療に対する反応が悪い症例が多いことが明らかになった。
また、血小板における補体の沈着は、自動血球分析装置で迅速に測定できる「幼若血小板比率」の増加と相関していた。これにより、補体活性化阻害薬などの新薬が有効な可能性が高い患者を、日常診療で行われる簡便な検査で選別できる可能性が示された。
補体活性化阻害薬などの適切な選択に寄与
今回の成果は、病態が多様なITPにおいて、補体という新たな視点から患者を分類し、最適な治療法を選択するための重要な一歩となる。
「現在、補体活性化を制御する薬剤の開発が進んでおり、本研究は難治性ITP患者に対して、より良い治療を選択する一助となることが期待される。幼若血小板比率測定という非常に簡便な方法で、治療抵抗性と関連する患者を選別できる可能性が示された意義は大きい」と、研究グループは述べている。(QLifePro編集部新規ウィンドウを開きます)
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