ソルトシェーカー(塩入れ)に手を伸ばすことは、記憶力や脳の健康に長期的な影響を与えるかもしれない。新たな研究で、ナトリウムの摂取量が多いことは、過去の個人的な経験や特定の出来事についての記憶である「エピソード記憶」に悪影響を及ぼす可能性があることが明らかになった。こうした影響を受けやすいのは主に男性であり、女性では同様の関連は認められなかったという。エディス・コーワン大学(オーストラリア)のSamantha Gardener氏らによるこの研究の詳細は、「Neurobiology of Aging」6月号に掲載された。

Gardener氏は、「男性の研究参加者は、血圧も高めだった。血圧はナトリウム摂取の影響を受ける。アルツハイマー病の発症を遅らせる上で、男女別のアプローチや修正可能な生活習慣要因としてのナトリウム摂取の位置付けに関しては、今後さらなる研究が必要だ」とニュースリリースで述べている。

Gardener氏らはこの研究で、認知機能が正常な1,208人(平均年齢70.87歳、男性41%)を対象に、自己報告による試験開始時のナトリウム摂取量と72カ月間での認知機能低下との関連を検討した。認知機能は、エピソード記憶、再認、実行機能、言語、注意力、前臨床アルツハイマー病認知複合(PACC)の6領域を評価するバッテリーを用いて、研究開始時および18カ月間隔で行われた計4回の追跡調査時に評価された。

その結果、ナトリウム摂取量が多いほどエピソード記憶の低下が速いという関連が認められ、この関連は統計学的に有意であった。一方、女性では、ナトリウム摂取と認知機能低下の関連は確認されなかった。さらに、対象者をアルツハイマー病リスクに関わるApoE遺伝子保有の有無で分けて解析しても、この関連に明確な差は認められなかった。

ただし、この研究はこうした関連を説明する要因の解明を目的としたものではなく、ナトリウム摂取と記憶力の間に直接的な因果関係があることを示すものではないとGardener氏らは指摘している。

Gardener氏は、「この研究結果から、ナトリウム摂取量の多さと認知機能との関連を示す初期的なエビデンスが得られた。ただし、このような関連が成り立つ機序や要因について完全に解明するには、さらなる研究が必要だ。これまでの研究でも、ナトリウム摂取量が多いことが認知機能低下に関連する脳内のプロセスに関与している可能性が示唆されていた。しかし、その基盤となるメカニズムを解明し、将来的に認知症リスクの低減を目指した食事の指針に反映させるには、より詳しく調べることが不可欠だ」と付け加えている。

なお、米国では1日当たりのナトリウム摂取量を、食品に含まれる分と添加する食塩に含まれる分を合わせて2,300mg未満に抑えることが推奨されている。Gardener氏らによると、ナトリウム約2,000mgは、食塩小さじ1杯、ピザ3~4切れ、ハンバーガー2個、または加工肉食品5~6オンス(約140~170g)などでこの量に達する可能性があるという。(HealthDay News 2026年4月17日)

https://www.healthday.com/health-news/neurology/memory-problems-your-salt-intake-could-make-matters-worse-study-says

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