多くの人は、平日はほとんど飲酒せずに過ごしていれば、土曜日の夜に多少飲み過ぎても問題ないと考えがちである。しかし、普段の飲酒量が控えめであっても、週末などにまとめて大量飲酒すること(一時多量飲酒)は、肝不全につながる危険な瘢痕化である肝線維化のリスクを3倍に高める可能性が、新たな研究で示された。米南カリフォルニア大学ケック医学校のBrian Lee氏らによるこの研究は、「Clinical Gastroenterology and Hepatology」に4月2日掲載された。

この研究結果は、「どのくらい飲むか」だけでなく「どのように飲むか」も同様に重要であることを示している。Lee氏は、「この研究は重要な注意喚起である。医師は、飲酒の肝臓へのリスクを評価する際、主に総量に注目して飲み方はあまり気にかけてこなかった」とニュースリリースで述べている。

この研究では、米国国民健康栄養調査(NHANES)の2017~2023年のデータを用いて、一時多量飲酒が脂肪性肝疾患(SLD)のサブカテゴリーに与える影響が検討された。一時多量飲酒は、女性では1日に4杯以上、男性では5杯以上の飲酒が月1回以上あることと定義された。肝臓の線維化は、8kPa(キロパスカル)以上を有意な線維化、12kPa以上を進行した(高度)線維化と見なす。対象は、振動制御型一過性エラストグラフィーのデータがある8,006人であった。

対象者のうち4,571人がSLDを有していた。その大半は代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD、3,969人)で、他に、代謝機能障害アルコール関連肝疾患(MetALD)やアルコール関連肝疾患(ALD)も含まれていた。なお、MASLDは肝脂肪蓄積を認め、かつ代謝異常を有する人、MetALDはMASLDに該当し、中等度以上の飲酒を伴う人、ALDはアルコール摂取が主因と考えられる肝障害を有する人とされる。

MASLD群では632人(15.9%)が一時多量飲酒に該当し、解析の結果、一時多量飲酒は肝臓の有意な線維化リスクの上昇と関連し(調整オッズ比1.69、95%信頼区間1.11~2.58)、特に高度線維化のリスクは約3倍に高まることが分かった(調整オッズ比2.76、95%信頼区間1.58~4.80)。MASLD群における有意な線維化の調整済み加重有病率は、一時多量飲酒のある群で23.6%、ない群で15.6%だった。

では、なぜ一時多量飲酒で肝臓の線維化リスクが高まるのだろうか。その理由は、短時間で大量に飲酒すると、肝臓の処理能力が追いつかず、炎症反応が急激に増加し、その結果、瘢痕(線維化)が形成されるためだと研究グループは説明している。

研究グループは、ALDが過去20年で倍増しており、その背景には飲酒習慣の変化や肥満の増加があると指摘している。Lee氏は、「今回の研究は、たまに行う大量飲酒の危険性が、より広く認識される必要があることを示している。普段は節度ある飲酒をしていても、このような飲み方は避けるべきだ」と助言している。

またLee氏らは、MASLDを有し、かつ一時多量飲酒を行う人は、MASLDではなくMetALDに再分類されるべきだと提案している。(HealthDay News 2026年4月3日)

https://www.healthday.com/health-news/liver-health/weekend-binge-drinking-triples-risk-of-permanent-liver-damage

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