米食品医薬品局(FDA)は1月31日、米モデルナ社製の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン(以下、新型コロナワクチン)を正式承認したことを発表した。米国での新型コロナワクチンに対する承認としては、米ファイザー社製ワクチンに続いて2例目である。同ワクチンは今後、「スパイクバックス筋注」(以下、スパイクバックス)の商品名で販売される。接種対象年齢は18歳以上で、1カ月の間隔をあけて2回接種する。

スパイクバックスは、2020年12月18日にFDAの緊急使用許可(EUA)を受けたモデルナ社製ワクチンと区別する必要はなく、EUAワクチンとスパイクバックスとの併用で一連のワクチン接種を完了しても良い。EUAワクチンは引き続き、1)18歳以上の成人に対するプライマリーシリーズ(1回目と2回目)接種用のワクチンとして、2)免疫不全状態にある18歳以上の成人に対する3回目のプライマリーシリーズ接種用ワクチンとして、3)プライマリーシリーズの接種完了後5カ月以上が経過した18歳以上の成人に対するブースター(3回目)接種として投与可能である。また、別の新型コロナワクチンのプライマリーシリーズの接種を完了した18歳以上の成人に対するブースター接種として混合接種することも可能である。

モデルナ社のCEOであるStéphane Bancel氏は、「われわれの開発した新型コロナワクチンは、世界中で何億人もの人々に投与され、新型コロナウイルス感染や、COVID-19による入院、死亡から人々を守っている。このワクチンは、当社が米国でFDAの承認を得た初めての製品であり、当社の歴史において記念すべき重要なマイルストーンとなるものだ」と述べている。

FDA生物製剤評価研究センター(CBER)のディレクターを務めるPeter Marks氏は、「FDAの医学および科学の専門家は、申請書に記載されているスパイクバックスの安全性、有効性、製造品質に関わる科学データと情報の徹底的な評価を行った。具体的には、モデルナ社が提出した分析データについてFDAが独自に行った検証や分析、製造過程、試験方法、製造施設の詳細な評価などだ」と説明する。

スパイクバックスの承認は、同ワクチンのEUAの根拠となった継続中のランダム化比較試験の安全性と有効性に関する追跡データや、EUA後の安全性と有効性に関する追加情報の評価と分析に基づいている。有効性については、ワクチン接種前にCOVID-19罹患歴がなかった18歳以上の人(ワクチン接種群1万4,287人、プラセボ接種群1万4,164人)を対象にした試験の結果に基づき判断された。同試験では、ワクチン接種群で55人、プラセボ接種群で744人がCOVID-19に罹患し、同ワクチンの発症予防効果は93%、重症化予防効果は98%と見積もられた。ただしこの結果は、オミクロン株の出現前のものである。

FDAの正式承認が下りたものの、モデルナ社は市販後調査を実施して、スパイクバックス接種後の心筋炎や心膜炎の発症リスクについて、さらに評価する必要がある。また、FDAに要請されてはいないものの、同社では、妊婦へのスパイクバックス投与後の妊娠と乳児の転帰を評価する研究など、他の市販後安全性研究も実施予定であるという。(HealthDay News 2022年1月31日)

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