新しい連続ドラマを見始めたら次から次へと見続けてしまい、気が付けば何時間も経っていた。そんな経験のある人は少なくないだろう。ところが、長時間にわたってテレビを視聴するなど体を動かさない時間が長引くと、静脈血栓塞栓症(VTE)発症のリスクが35%上昇する可能性のあることが、英ブリストル大学のSetor Kunutsor氏らの研究から明らかになった。この研究結果は、「European Journal of Preventive Cardiology」に1月20日発表された。

VTEは、ふくらはぎや太ももなどの下肢に血栓ができる深部静脈血栓症(deep venous thrombosis: DVT)と、できた血栓が血流に乗って流れ、肺の動脈を塞いでしまう肺動脈塞栓症(pulmonary embolism: PE)を合わせた疾患概念だ。Kunutsor氏らは今回、テレビ視聴とVTEの関連について調べるため、13万1,421人(平均年齢54〜65歳)のデータを含む3件の研究を対象にメタアナリシスを実施した。

中央値で5.1年から19.8年に及ぶ追跡期間中に、964人の研究参加者がVTEを発症していた。解析の結果、1日に4時間以上テレビを視聴していた人では、テレビをほとんど、または全く視聴していなかった人と比べて、VTEリスクが35%高いことが示された。これらの関連は、年齢や性別、BMI、身体活動とは無関係に認められた。

Kunutsor氏は、「われわれはテレビの前で過ごす時間を制限すべきだ。長時間にわたってテレビを見るときは、視聴を中断して定期的に体を動かし、血液の循環を促すべきだ」と話す。また、テレビ視聴に限らず、座ったままで長時間過ごすことはVTEリスクにつながる可能性があるという。そのため同氏は、「パソコンの前で長時間にわたって作業する必要がある職業に就いている人は、時折立ち上がって動き回ると良いだろう」と助言している。

ただしKunutsor氏は、「この研究は長時間のテレビ視聴が原因で血栓が形成されることを証明したものではなく、両者が関連する可能性を示したに過ぎない」と述べ、慎重な解釈を求めている。

米バーモント大学のMary Cushman氏も、この研究で因果関係が示されたわけではないことを指摘している。同氏はまた、「テレビの視聴時間が長い人は、VTEのリスク因子となる肥満や過体重の人が多い可能性がある。ただ、研究では体重を調整して解析が行われており、調整後も長時間のテレビ視聴とVTEに関連が認められた。そのため、体重はこの研究結果に影響を及ぼしていないと考えられる」と述べている。

一方でCushman氏は、テレビを長時間視聴しがちな人は、身体的な健康状態が優れていない可能性があり、そのことが研究で示されたような結果の要因となっている可能性を指摘。また、「座位時間が長時間に及ぶと下肢からの血流が低下し、VTEの要因となる可能性がある。血流が低下すると血栓が形成されやすくなるからだ」とも述べている。

Cushman氏は、さらなる研究を重ねる必要性に言及しながらも、今回の研究結果から学ぶべき重要な点として、「長時間にわたってテレビを見たいのなら、頻繁に中断して歩いたり、ストレッチをしたりするべきで、お菓子を食べながらテレビを見るべきではない」と話している。(HealthDay News 2022年1月20日)

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