屋外で集まるのなら、風の強い日がベストのようだ。屋外で人と交流するとき、風がほとんど吹いていない日は、風が強い日に比べて、新型コロナウイルスに感染するリスクが最大45%も高くなることが、新たな研究で明らかにされた。米ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校公衆衛生プログラム准教授のSean Clouston氏らによるこの研究結果は、「BMC Infectious Diseases」に11月27日掲載された。
Clouston氏らは今回、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックに屋外での感染伝播が寄与するのかどうかを調べるために、風の弱い日の屋外での集まりは新型コロナウイルス感染リスクが高まると仮定し、それを調べる研究を実施した。そのために同氏らは、統計モデリングプログラムを開発し、ニューヨーク州サフォーク郡で2020年3月16日から12月31日までに発生したCOVID-19の症例9万6,057件について分析。その数字を、米国海洋大気庁より取得した毎日の風速と最高気温のデータと組み合わせて検討した。
研究対象期間の平均気温は19.8±8℃、平均風速は14.0±5.8km/時だった。2020年5月1日から10月24日の間では、ほとんどの日の気温が16~28℃の間であり、風速は徐々に低下した後、12月に入ると再び上昇し始めた。多変量解析の結果、気温が16〜28℃で、平均風速が時速8.85km(秒速約2.5m)未満の場合、風速がそれ以上であった場合に比べて、新型コロナウイルスの感染リスクが45%有意に上昇することが明らかになった(P<0.001)。
こうした結果を受けてClouston氏は、「注意すべき点は、屋内か屋外かということではなく、空気がよどんでいるかどうかだ。われわれの研究結果から、空気がよどんでいると、感染拡大のリスクが高まり、逆に空気がきちんと循環しているのなら感染リスクは下がることが明らかになった」と述べている。
研究グループは、「この研究から、屋外でも新型コロナウイルスに感染することがあり、特に夏場の風の弱い日には感染リスクが高くなることが示された。屋外でも、とりわけ空気の流れが制限されている環境では、人と人との間の物理的な距離を広げ、空気の循環を改善し、マスクを着用することが感染防止に役立つだろう」と結論付けている。(HealthDay News 2021年12月3日)
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