新型コロナウイルスワクチンの接種や開発の状況など、国内の動向をまとめました。

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オミクロン株対応ワクチン 接種率4割に
塩野義と第一三共が申請
安全性に重大な懸念認められず

オミクロン株対応ワクチン 接種率4割に

政府のまとめによると、1月24日公表時点の国内の新型コロナウイルスワクチンの総接種回数は3億7742万4373回。総接種回数のうち、▽1回以上接種したのは1億461万2000人(接種率81.4%)▽2回接種が完了したのは1億322万1578人(80.4%)▽3回接種したのは8559万2610人(68.0%)▽4回接種したのは5665万6606人▽5回接種したのは2734万1579人――となっています。

昨年2月から接種が始まった5~11歳の小児の接種回数は、1月24日公表時点で401万3234回となっており、1回以上接種したのは174万3409人(23.8%)、2回接種を完了したのは167万3627人(22.9%)。同9月から始まった追加接種は59万6198人(8.1%)が受けています。昨年10月5日に承認された生後6カ月~4歳未満の乳幼児の接種回数は1月24日時点で23万2883回となっており、1回以上接種した人が13万9616人(3.1%)、2回接種完了が9万2738人(2.1%)、3回接種した人は529人(0.0%)です。

昨年9月には、米ファイザー/独ビオンテック製とモデルナ製でオミクロン株の「BA.1」に対応したワクチンが承認。さらに同10月5日には、同株の「BA.4/BA.5」に対応したファイザー製ワクチンも承認され、同11月1日にはモデルナ製のBA.4/5対応ワクチンも承認されました。政府は追加接種の接種間隔を従来の5カ月から3カ月に短縮し、12歳以上のすべての人を対象にオミクロン株対応ワクチンの接種を進めています。

オミクロン株対応ワクチンの接種回数は1月24日時点で5088万1063回(接種率40.4%)となっています。

塩野義と第一三共が申請

現在、国内で公的接種の対象となっている新型コロナワクチンは、ファイザー/ビオンテックのmRNAワクチン「コミナティ」とモデルナの同「スパイクバック」、米ノババックスが開発し、武田薬品工業が国内で製造・供給する組換えタンパクワクチン「ヌバキソビッド」の3種類。このほか、英アストラゼネカのウイルスベクターワクチン「バキスゼブリア」と米ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門ヤンセンファーマが開発したウイルスベクターワクチン「ジェコビデン」も承認されていますが、公的接種では使用されていません。

画像: 塩野義と第一三共が申請

追加接種の3回目にはファイザー製、モデルナ製、武田(ノババックス)製とも使用できますが、4回目と5回目に使えるのはファイザー製とモデルナ製のみ。モデルナ製は12歳以上、武田(ノババックス製)は18歳以上が対象で、5~11歳の小児と生後6カ月~4歳の乳幼児に使用できるのはファイザー製のみです。

オミクロン株BA.4/BA.5に対応したワクチンはファイザー製とモデルナ製(いずれも12歳以上が対象)が承認。ファイザーは昨年10月13日に5~11歳の小児についても申請を行いました。

日本企業では、塩野義製薬が組換えタンパクワクチンを成人の初回免疫(1回目・2回目)と追加免疫(3回目)を対象に昨年11月に申請。第一三共は開発中のmRNAワクチンを追加免疫の適応で今月13日に申請しました。KMバイオロジクスは不活化ワクチンの開発を進めています。

安全性に重大な懸念認められず

厚生労働省によると、昨年12月18日までに予防接種法に基づいて医療機関から報告された副反応疑いの頻度は、▽ファイザー製(12歳以上用、21年2月接種開始)0.0108%(うち重篤0.0025%)▽同(5~11歳用、22年2月接種開始)0.0036%(うち重篤0.0010%)▽同(生後4カ月~4歳用)0.0019%(うち重篤0.0019%)▽モデルナ製(21年5月接種開始)0.0066%(うち重篤0.0015%)▽武田(ノババックス)製(22年5月接種開始)0.0125%(うち重篤0.0033%)――となっています。

接種後に報告された死亡例(12歳以上)は、昨年12月18日までにファイザー製1751件(接種100万回あたり6.3件)、モデルナ製211件(同2.6件)、武田(ノババックス)製1件(同3.7件)。これまでワクチンとの因果関係があると結論付けられたケースはなく、厚労省の専門部会は「4回目接種後やオミクロン株対応ワクチン接種後の事例を含め、ワクチン接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められない」としています。

小児(5~11歳)では、昨年12月18日までに接種後の死亡例の報告が3件(接種100万回あたり0.8件)ありますが、現時点でワクチンとの因果関係があると結論付けられた事例はありません。乳幼児(生後4カ月~4歳)では、死亡例の報告はありません。

こうした報告を踏まえ、厚労省の専門部会は「いずれのワクチンも、これまでの報告によって、死亡、アナフィラキシー、血小板減少症を伴う血栓症、心筋炎・心膜炎、4回目・5回目接種、5~11歳の小児接種、4カ月~4歳の乳幼児接種、オミクロン株対応ワクチン、ワクチン接種後健康状況調査に係る検討を含め、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められない」と評価しています。

(公開:2021年1月14日/最終更新:2023年1月25日)

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